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毎日新聞 2003年12月12日掲載

毎日女性フォーラム【これからの暮らしとビジネスを考える】

起業女性の活動拡大社会基盤活用のカギに
- 地域社会を支える女性からの発言 - (主催・毎日新聞社、土木学会関東支部)

11月25日(火)東京都千代田区の丸ビルで開かれた。人材総合プロデュース会社ザ・アールの奥谷禮子社長がビジネスや女性の働き方の変化について基調講演した。続いて、NPO(特定非営利活動法人)青い森空間創造女性会議理事長の北村真夕美、パリッシュ出版社長の土屋和子、社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミ、由布院玉の湯社長の桑野和泉の4氏が地域での暮らし、ビジネスの現状やその中での女性の役割について議論した。

私は、群馬県高崎市から来ました。私どもの事業は生活情報誌「月刊パリッシュ」の制作・発行です。高崎、前橋、伊勢崎3市の家庭・事業所27万世帯に無料でポスティングしています。中身はグルメ、ショップ、ブライダル、住宅、教育、カルチャーなどさまざまですが、広告という形ではなく生活情報誌として編集しています。市民の声や行政のお知らせも掲載し、市民と企業と行政を結ぶ情報提供ツールにもなっています。
「マイステージ」という会社では、群馬県内のインターネットを使っている3,000人の女性をネットワークして、企業の市場調査や商品開発に参加してもらう事業を行なっています。地域経済の資源である人と企業を元気にする事が、役割だと考えています。

群馬は気候的にも地理的にもまだ恵まれているのですね。群馬は昔から「かかあ天下と空っ風」と言われてますが、働く女性はとても多いんです。もちろん女性がビジネスの場面で自分の力を発揮しようとすると、あらゆる物理的、精神的なバリアを乗り越えていかなければなりません。私も6年前に会社を設立して、子供は3人おりますが、社会基盤整備は働く女性が働くためのバリアフリーとして大きく機能していると思います。群馬県の場合、車なしの社会参加は全く考えられません。車の保有率は全国1位で、特に20~24歳の女性では99%です。ほとんどの女性が車を持って社会参加をしているんです。
車に加えて、ITも重要です。「マイステージ」では、主婦がウェブサイトで企業のアンケートやモニターに参加し、参加するたびにポイントがついて、そのポイントを換金することでお小遣いをためていくというシステムを作っています。地域に住む生活者の声を、企業の商品やサービスに生かしていただきたいと考えたからです。

毎日新聞 2003年12月12日掲載 「マイステージ」では地域に特化したマーケティングをしています。そのひとつの事例をお話すると、ある住宅メーカーさんと共同で、主婦1,100人のアイデアを取り入れた「わがまま住宅」を1棟建ててしまいました。さらに、1,100人の主婦の口コミの宣伝と活動を紹介した「月刊パリッシュ」の記事の相乗効果で、販売にとても大きな成果をもたらしました。住宅作りにかかわった主婦が参加意識を持ち、その企業さんのファンになったからです。また、主婦のご近所情報の収集が潜在顧客の掘り起こしに役立ちました。例えば、「あそこの社宅に住んでいる人はいずれみんな、家を建てて出なければならないんだって」というような情報が約3,000件も集まり、販売につながりました。
私が考えるエリアマーケティングは、参加者が消費者でもあることです。今まで企業は一方的な狩猟型のマーケティングでしたが、地域では消費者を参加させる農耕型が成立します。
確かに女性が社会参加していく時には、家事とか、育児とか、介護とかの制約が男性より多いですね。でも「マイステージ」に参加する主婦の皆さんは「ケンタ君のママ」とか「田中さんちの奥さん」とか呼ばれたくないという思いが強いのです。実際、ここぞという時には、女性の方が力になるかな、なんて最近ちょっぴり思ったりしています。
例えば、「マイステージ」は道づくりに関して、主婦たちと行政の方たちとの座談会を開きました。ガードレールや歩道橋の色彩など道路景観についても、女性の感性を生かせると思いました。また、沼田市から片品村に向かう国道120号の観光掘り起こし研究事業を大学と一緒にやっています。主婦が60~70ヵ所の観光スポットを取材して、意見書をまとめます。このように生きた生活者の声を行政や企業に反映できるような場が増えれば、女性が力を発揮できる有効な分野になってくると思います。